あなたのドライアイの原因は、
MGD(マイボーム腺機能不全)という
病気による涙の油分不足
かもしれません。
マイボーム機能不全(MGDとは)
涙の蒸発を防ぐ油成分を分泌するマイボーム腺の機能が低下する病気です。
この機能不全により涙の油層が不安定になり、ドライアイや目の不快感(乾燥感、ゴロゴロ感、痛み、充血など)を引き起こします。特にアイメイクの残りや加齢、生活習慣などが原因で起こりやすいです。

マイボーム腺機能不全になりやすい方

自宅でできるMGDケア
生活習慣や生活環境が変わらなければ、MGDは慢性化しやすく改善と悪化を繰り返すことが多いといわれています。
ホームケアを毎日頑張っていただくことで改善、再発の予防に役立つと期待されます。
温罨法(おんあんぽう)
まぶたのマイボーム腺の油を溶かしてつまりを和らげ、血流を改善します。
蒸しタオルや専用グッズなどを使い、まぶたを38℃前後の適切な温度で5分程度温めることを1日2回、朝晩行うのが推奨されています。
温めた後は、指の腹でまぶたを優しくマッサージするとさらに効果が高まります。
眼瞼清拭(がんけんせいしき)
眼瞼清拭は汚れたマイボーム腺の脂の排出を促進し、固まってしまった脂や角化物の詰まりの除去、およびマイボーム腺周囲の細菌量を減少させる目的で行います。
指のはらでまつげの根本周囲をやさしくマッサージするように行うといいでしょう。
温罨法と一緒に行うとさらに効果が高まります。
当院で販売しているアイシャンプーです。


毎日のホームケア

1.蒸しタオルや市販品を使う
- タオルで蒸らし、電子レンジなどで温めます。
- 熱すぎないことを確認し、まぶた全体を覆うように5分ほど乗せます。
※お風呂に入った際に、湯船のお湯で濡らしたタオル地のアイマスクをまぶたに当てるのも良い方法です。
2.マッサージをする
- 目尻を外側に引っ張った状態で、上まぶたは上から下に、下まぶたは下から上に、ゆっくりマッサージします。
3.眼瞼清拭
- アイシャンプー等を浸した綿棒や指のはらで、まつげの根元の内側あたりを清拭します。
注意点
- 温度と時間:まぶたの温度を38℃前後に保ち、5分程度行います。熱すぎると火傷の危険があるので注意しましょう。
- 継続が重要:1日朝晩2回、毎日継続して行うことで効果を実感しやすくなります。
- 白目の充血時:白目が充血しているときは炎症を起こしているサインなので、温めるのは避け、冷やす方が良い場合があります。
- 眼科での診察:症状の悪化や改善が見られない場合は、診察を受けるようにしましょう。
ドライアイの治療の種類
目薬と涙点プラグ
ドライアイの主な治療法には『点眼治療(目薬)』と『涙点プラグ』があります。
いままでの点眼治療は、人口涙液やヒアルロン酸点眼薬などを用いて涙を補充する治療が主流でした。
しかし、最近では目からの水分やムチンの分泌を促す目薬が登場しています。
ムチンには、涙の目の表面にとどめる働きがあります。
涙点プラグとは涙を排出する涙点に涙点プラグという栓をして、目の表面に涙をためる治療法です。
目薬だけでは改善しない場合に検討されます。

薬物治療
MGDの薬物治療は、眼軟膏、抗菌薬の点眼や内服薬(炎症の原因となる細菌を抑える目的)の服用などが行われます。

圧出
医師が圧迫鑷子でまぶたを圧迫し、その中にあるマイボーム腺から固くなった脂を排出する治療を行うこともあります。

IPL
MGDの新しい治療の選択肢として、いま『IPL治療』が注目されています。
IPL治療は、特殊な光を当てることでマイボーム腺の詰まりを解消し、涙の油層を正常化してドライアイの原因であるMGDを改善する画期的な治療法です。

